歌手のaikoさんが好きです。すごく好きです。シングルもアルバムもライブDVDもかかさず購入しています。そんな人間ですが、たまに彼女を怖いと感じるときがあります。ということで、以前に書いた記事とはうってかわって楽曲以外にまつわる話を。

aiko=かわいい?について

今でこそ、彼女の「歌姫」という立ち位置に疑問を投げかける人はそういないと思うのですが、90年代およびゼロ年代はもっと世間の風当たりが強かったように記憶しています。

ジャンキー(※aikoファンの総称)の皆さまにおかれましては腹立たしいことこの上ないかと存じますが、ヤフーなりグーグルなりに「aiko」の文字をぶち込むと「aiko ブス」「aiko 鼻」というサジェストワードが出てくるなど。しかし現在は「aiko ライブ」「aiko 歌詞」「aiko 結婚」「aiko 彼氏」というワードとともに「aiko かわいい」というワードが出てくるので、印象も変わったのだと思います。

デビューから数年間のaikoはおかっぱ頭がトレードマーク、基本的にTシャツジーンズ、というカジュアルファッションで、表現が合っているのか分かりませんがヤンチャ坊主的なかわいさでした。

最近ではヘアスタイルもファッションももっと自由になり、フェミニンなスタイルも多いことからいわゆる女の子らしい雰囲気が好きな人からも「かわいい!」と評価されやすくなったのだと思います。

 

aikoの「マイナスの力」がすごい

ところでaikoを見ていて、一番すごいな、強いなと恐れを抱くのがマイナスの力です。なんて言えばいいんだろう。プラスではなくマイナス。引く力。こちら側にぐっと押し込んでパーソナルスペースを侵してくるのではなく、引いて、引いて、引っ張られて、こちらの足場がいつのまにか崩れる感じ。吸引力と言えばいいんでしょうか。なんでしょうね。

aikoの笑顔を見ていて不安になることありませんか?ライブや歌番組の最後にカメラへ向かって見せる、口角をにぃ~ってあげて、目を細めて笑うあの顔。とてもかわいいのですが、強烈な引く力が働いていて、半分この世に存在していないようにさえ思えて怖い。儚いというのかな。

これだけは絶対に勘違いされたくないのですが、決して悪い意味ではないです。例えば笑うのがあまり得意ではない人が無理して笑っているときに感じる不自然さや違和感を怖い、と言うこともあると思う、でもそういうことではなくて、いっそ人智を超えたなにかを感じてしまう畏怖ということです。

 

aikoの笑顔が怖い症候群の具体例

aikoの笑顔が怖い、とただ言っていてもイメージがつかないと思うので具体例を挙げてみます。

こちらは、毎年作成、YouTube公式チャンネルにアップロードされているニューイヤーCMの2019年バージョン。

サムネにもなっている、ラストシーンのこの表情。それから本編内、6秒あたりからの雰囲気。

2018年の干支であるわんちゃんをバスに乗せ、ありがとうと伝えつつお別れし、次にやってきたバスでウリボーチャンと出会う。途中に挟まれるライブシーンのひたすらパワフルな「歌手としてのaiko」のエネルギッシュなパワーがめちゃくちゃ強いからこそ、お別れシーンやラストシーンのさりげない笑顔から感じさせる「引く力」とのコントラストにどきっとして、手を止めてCMに見入ってしまいます。

この笑顔に出会うたび、私たちには見えていないあらゆるものを、aikoはとっくに見通しているのではないかと思ってしまう。地球が滅びるまでのカウントダウンの中であらゆる人がパニックになっていても、aikoだけこうやって笑っていそうな気がする。空は暗くなってゆく今日も終わってしまってしまうこの世の果て来たようにつぶやく「さよなら」~♪つってな!

 

申し訳程度にaikoのおすすめ曲

好き勝手言ってしまって恐縮ですが最後に僭越ながらaikoさんのおすすめ曲とか残しとくね。

 

□帽子と水着と水平線

ライブでも定番曲。とにかく爽やかでとにかくぶちあげ。

 

□ひまわりになったら

インディーズ時代の「ハチミツ」に衆力され、隠れた名曲として長らく愛され続け、ついにシングル「二人」のカップリング曲として再収録されました。何十年という時間が経っているとは思えないくらいに、色あせなさがとんでもないです。

 

□夏服

アルバム「夏服」のシークレットトラック。これも「引く力」のめちゃくちゃな強さを感じます。歌詞もえげつない。シングル「えりあし」にも「季節に逆らい思い続けて今もあなたを好きなままよ」という歌詞があったと思うのですが、夏服とも共通している時間の流れと関係なく留まろうとする力にも畏怖を覚えてしまいます。

 

ということでaikoの「引く力」、すなわち「引き込む力」に対する恐れの話でした。

 

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