竹内佐千子「男子禁制 ようこそ!女子の秘密の花園へ」感想とレビュー

エッセイ漫画家の竹内佐千子さん。LGBT当事者であり、彼氏の性転換手術についていく旅行エッセイ「男になりタイ!」や、パンチのある友人たちとのやりとりを描いた作品を発表しています。その中でも、特に好きな「男子禁制」について。

竹内佐千子さん「男子禁制」とは

コミックエッセイを中心にさまざまな作品を手がける竹内佐千子さんは、レズビアン、バンギャルおよびおっかけ、オタク、腐女子という個性を強みに、竹内さんのフィルター越しの世界をレポートしていく作品をたくさん発表しています。その中でこちらの作品は「男子禁制」というタイトル通り「お客さんの9割以上が女性」という場所や「男性は入りづらい場所」をひたすら巡っていきます。友人同士で「あそこ一回行ってみたいよね~」と話しながら、結局行かないということって星の数ほどあると思うんですが、それらをひたすらこなしていこうぜ!という企画。

ツアースポットは以下の通り。

  1. 宝塚
  2. 109&マルイワン
  3. パジャマパーティー
  4. ウエディングドレス試着会
  5. バンギャイベント「爆発寸前Night」
  6. メイクレッスン&ネイルサロン
  7. イケメン俳優握手会
  8. 下着売り場&ビアンバー
  9. スイーツバイキング

これらのスポットを竹内さんご本人と担当のY田さんがひたすら巡り、ときどきゲストを呼んでみたり、出会った強烈な人たちに圧倒されたり。序章で説明される企画コンセプトは「見てみたい、行ってみたい、やってみたいことを優先」。Y田さんに「男子にはできない女子の遊びを満喫しませんか!?」と持ちかけられた竹内さんは「すごいいい仕事だなオイ」とおっしゃっていますが、読んでいるとまるで自分も追体験しているような気持ちになってわくわくします。

 

女性らしい=女子力高いじゃねーんだよ

竹内さんのコミックエッセイは「生々しさ」があるところが本当に好きです。今作もいわゆる「女子的、女性的」なスポットに足を運んでその時間を楽しむ、という企画ではあるものの、いわゆる女子力の高いキラキラした時間に終始しているわけではなく、それでいてめちゃくちゃ楽しそうなのが素敵。

ロリータを購入する気で試着してみたけどまったく似合わないとか、パジャマパーティーをしながら恋バナしようとしたけど誰一人浮いた話がなくなんなら途中で仕事の電話が入って仕事はじめちゃったとか、ハーブティーの一つでも用意すればよかったのに大衆居酒屋のようにアルコールばっかり買ってきちゃったとか、ウエディングドレスを試着しようとしたけど体型的な問題で着られなかったとか。女性の園でこそ見えるリアル感がすごい。

 

本当は性別などは関係ないはず

女性だからこそ堂々と入れる場所、というのは、それだけで一つ選民意識を満たせる場所なのだと思います。それは決して否定的な意味でなければ、男性を追い出すための表現でもなく、実際に作中には男性といっしょにとあるスポットに赴く回もあります。その回もめっちゃ面白い。竹内さんとY田さんがたじたじになっているのがまた。

本当は「女性しか入れない場所へ潜入したレポートだから面白い」ということではなく、単純に竹内さんのエピソードの切り取り方が面白いというそれだけのことなんだろうと思います。たぶん竹内さんだったら女子禁制の場所に乗り込むチャレンジング企画でも超面白いのだと思います。むしろ誰でも入れる場所にただ行くレポだけでも読みたい。

 

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