最近では、パティスリーだけでなくコンビニやスーパーでも手軽に食べられるようになった「マカロン」。
「マカロンって美味しいか?甘いだけじゃない?砂糖の塊じゃん?マカロンみたいなカラフルでかわいいもの食べてる自分が好きなんでしょ?」という意見を目にすることが増えてきました。正直わかるんです。悪意の有無はともかくとして、そう考えてしまう理由も。そして、それを踏まえた上で大きな声で答えたい。「美味いマカロンはめちゃくちゃに美味い」と!!!
美味しくないマカロンの特徴
とは言え、美味しいラーメンと美味しくないラーメンがあるように、マカロンも個体差大きすぎる系フードなので、すべてのマカロンが平等に美味しいとは言いません。
正直、コンビニやスーパーで気軽に手に入るマカロンは、魅力を感じづらいと思います。
◆やたら甘すぎる
◆歯にくっついてネチャっとなる
◆単価が高い割に味がよく分からない
このあたりのことを引き合いに出され、マカロン不味い論を説かれれば「せやな……」と言わざるを得ません。しかし、美味しいマカロンにはそんな悪評常識は通用しないんだ……!
食感が天才的
マカロンを食べるに当たって、というか、すべての食を味わう上で大切な「食感」。
マカロンの場合は特に、食感が持つ魅力がめちゃくちゃに大きいです。歯をつきたてたときの外側のパリパリカリカリサクサク感、かみ締めたときのふわふわしっとり感、中のクリームのとろとろ感。
冷蔵庫から出してしばらく置いておき、この3つが重なる瞬間を楽しむのが最高です。
濃縮された味わい
「マカロンは高いのに小さくて食べ甲斐がない」という意見を聞いたこともあります。
確かにコスパは悪い、牛丼のように低価格で腹を満たすのは難しいですが、その分マカロンにはあの小ささの中に凝縮された味わいがあるじゃないか……!
個人的にゲキオシしたいのは、パティスリー・サダハル・アオキ・パリの「マカロン アールグレイ」。
実物の写真も撮ったのですが、テンション上がりすぎてピントがアレすぎてすみません。茶葉のうま味が凝縮されていて、かつくどくない絶妙なバランス。
サダハル・アオキといえば↑こんな感じのカラフルチョコレートが有名ですね。こちらも頂いた日にはテンションばちくそ激アゲな大好きスイーツなのですが、マカロンに関しても本当にもう天才の所業じゃん……と感動しています。アールグレイに限らず、すべてのフレーバーがめちゃくちゃ濃厚なのに、味わいがうるさくないのが最高だな……と思っていたら、公式サイトに次のような記述を見つけました。
そもそもマカロンとは、
アーモンドを食べてもらうためのお菓子。
アーモンドとクリームの味の組み合わせの妙こそ
このお菓子の醍醐味。
あくまでメインはアーモンドであり、そこにアールグレイなりショコラなりシトロンなりをバディとして添えているわけだ……奥ゆかしい……かっけぇ……かっけぇよ青木さん……。
この世で一番魅力的なマカロン描写が出てくる本
さてそんなマカロンの美味しさについて、私ががんばって食レポしてもいまいち伝わりづらいと思うので、私がマカロン欲をかきたてられた作品をご紹介します。
志村志保子先生のお料理オムニバス漫画「女の子の食卓」の1巻に、田舎の女の子と都内からの転校生という、小学生同士のお話があるんですが、このお話に出てくるマカロンの描写がものすごく美味しそうでかつお話自体も心にぐっとせまるので生活の中で何度もくりかえし思い出してしまいます。
田舎の女子小学生は、ちょっと鼻につくけれどあかぬけたクラスメイトに仲良くなれるかわからない、でもちょっと気になる、という複雑な感情を抱きます。そして、常に距離のあったふたりをつなぐきっかけになったのがマカロン。
この作品におけるマカロンは「おしゃれ」「かわいい」「魅力的」というステレオタイプなモチーフに終始せず、そうした性質をとっかかりとしてスイーツとしての「本質」、そしてそこから広がる「人間関係の本質」「あの子の本質」へとつながっていきます。
この展開の仕方がとても美しく、短いページの中できれいに着地するのではじめて読んだときに「うおお……」となりました。あとくりかえしになるけれどなにより作中のマカロンの描かれ方が、もうものすごく美味しそう。食いしん坊の人間ならば、よだれを垂らさず腹を鳴らさずに読了することはほとんど不可能だと思う。
作中ではピエールエルメのマカロンが登場するんですが、このお話を読んでから食べるとなんとも言えない味わいに感じられます。
ぜひマカロンをつまみながら、読んでみてほしいです。臨場感がとんでもない。
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