ドリームポップやシューゲイザーの名盤はロサンゼルスおよびブルックリンで量産されている説

以前シティポップの名盤の話をしましたが、最近はドリームポップやシューゲイザーにもハマっています。そこで気づいてしまったのですが、この分野において最高の作品というのは、すごい確率でロサンゼルスやブルックリンで作られているのでは?ということで「この人も!この人たちも!」と驚いた、LA&Brooklyn産ドリームポップをまとめました。

Wild Nothing

私がドリームポップにドハマったきっかけであり、外せないアーティストがこちら。Jack Tatum氏によるソロ・プロジェクト、Wild Nothingです。

ビルボードの「New Artist & Alternative New Artist」チャート1位を獲得した実力者で、音源はどれもめちゃくちゃ気持ちいいです。

アートワークや立ち振る舞いも含めて、自分の好きなことしかしたくねえぜという意気込みが見えるので信頼ポイント高めです。

 

Winter

LA発のシンガーソングライター、 Samira Winterちゃんによるきゃわゆいガールズバンド。彼女たちの世界観を日本の感覚で表現するなら、間違いなく「ゆめかわ」

重すぎないベース&ドラムスに、気だるささえ感じさせるギターとボーカルは、自らの足でしっかり立つよりもユニコーンの背中に乗せてもらいたいというゆめかわマインドとの親和性が非常に高く好感が持てます。

ミュージックビデオも軒並みピンク・パープル・パステル・キラキラ・お花・インテリアという感じで構成され、いつりゅうちぇる&ぺこ夫婦が出てきても間違いなく調和しそうな気配が漂っています。

 

Launder

John Cudlip氏によるシューゲイズ、ドリームポップ・プロジェクト。DIIVのZachary Cole Smith氏が参加していることで知ったのですが、より華奢な雰囲気が漂っています。

DIIVと比べると(比べるのも失礼な話ですが)、がんがん気持ちが揺さぶられてウオオライブ行きたい、となるのではなく、このまま何も考えずアセンションしたい、となるタイプの楽曲。DIIVがノリのいい強火なアーティストであるとしたら、Launderはもう少し弱火なんだけども、気を抜いていたらいつの間にか身体の内側に入り込まれてしまうような危機感とも隣り合わせています。

ほどよくレトロな雰囲気が心地よく、24時間ずっと聴き続けていたくなります。

 

Grizzly Bear

グレズリーベアは、2004年にブルックリンで結成されたフォーピースバンド。全米ビルボード・チャートで8位などの功績もあり、広く評価されています。

一時期、休止期間ともとれるぽっかり空いた期間があったのですが、その時期を越え一層どっしりとした存在感のある楽曲を生み出すようになった気がします。メンバー一人ひとりが自身のアーティスト性に自覚的な印象で、どんどん変わっていくバンドなのだろうと伝わってきてわくわくしますね……!

 

CRYSTAL STILTS

さて、ドリームポップ=その名の通りポップ調である、華奢、聴きやすい、ライト、かわいい、おだやか、やわらか、よくわからない、みたいなイメージがある人も多いのではないでしょうか。

ブルックリン出身の4ピースバンドCRYSTAL STILTSは、そうした概念に爪を立てるダークでサイケな楽曲をバリバリ発表しています。

特に「Star Crawl」はミュージックビデオも最高。サイケな色彩で、まぶたが痙攣しているときの景色みたいな、高熱出したときの夢みたいな映像が延々垂れ流される、悪魔的映像でたまらないです。

 

Ariel Pink

アリエル・ピンクス・ホーンテッド・グラフィティことアリエル・ピンク。10歳頃から曲を書き始め、18歳ごろにはとにかく作る&RECを繰り返していたそうで、500曲近い楽曲をカセット・テープに録っていたというこのエピソードほんっとに好きです。

きちんと評価されている人が、功績の裏で次から次へとどんどん曲作りをしていたという、あって然るべきストイックなエピソードが本当に大好きで、ものすごくやる気になります。

 

PALE LIGHTS

前述のCRYSTAL STILTSやCINEMA RED AND BLUEなどのメンバーが集まって結成されたバンド。インディーポップだからこそ実現できるごった煮感が最高です。

2014年に発表されたファースト・アルバム「Before There Were Pictures」は、ジャケの美しさもかなり魅力。内容も、いい意味で裏切られる箇所が多くて自然ににやにやします。

他バンドではなかなか表出されなかった、メンバーの別の顔が見られるので「この人こういうフレーズを弾くんやなあ……」という新しい発見があり面白い。

 

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