近年、ちらっと聴いただけでいいなあ、と惹かれるアーティストに共通点が見られるようになってきました。それは、アメリカ・ブルックリンのバンド・アーティストであるということ。
そして「The Drums」も、おしゃれやなあ、ええ感じやなあ、と思っていたらやっぱりブルックリンでした。
The Drumsとは
The Drumsは、Wild Notingなどのアーティストを輩出したブルックリン産のバンド。
「80’sニューウェーブ系譜」とか「ポップミュージック」とか、色んなパターンで形容されているのですが、私の知識が浅いことを差し引いても「こういうジャンルです」と名言するのは難しいように感じます。
デビュー当時に「サーフィン」や「ビーチ」というコンセプトを掲げ、バブル真っ最中のJ-POPシーンかよというようなテンションが見えていたのが、自分としてはぐっと来てしまうポイントでした。
ファッションセンスも高評価
The Drumsの特徴と言えるのが、ファッショナブルな雰囲気。
なんでもイヴ・サンローランのクリエイティブディレクターであるエディ・スリマンからも惚れこまれているとか。
ハイブランドもさらりと着こなす、広告塔力の高さも兼ね備えています。
と言いつつ、私は音楽とファッションは、関連が深いようでそうでもないと思っています。
むしろ、音楽にいらないバイアスがかかって正当に評価されなくなることを考えるとリスクにすらなり得ると思うのですが、一貫した姿勢を徹底して両面から評価されている辺り、地頭のいいアーティストなのだろうとかん島巣。
The Drumsの楽曲制作
彼らはデビュー当時の楽曲制作について「フロリダの片田舎に住んでいて、3分で終わるシンプルなポップ・ソングを作りはじめた」と語っています。
さらに、子ども時代の宗教体験が創作の礎になっていることを明かしたり、ノスタルジックサウンドへの敬意を示したり、生きていることに常に恐れを抱いていることを語ったりと「おしゃれ」と形容される楽曲からは想像しきれない、なかなか屈折した感覚を持っている様子。
切り離せないTHE SMITHSとの関係性
The Drumsを初めて聴いて「いやTHE SMITHSやんけ」と言う人は多いと思います。そうなんです。THE SMITHSの残り香があちこちから香っているんです。
そもそも、The Drumsのメンバーであるジョナサンとジェイコブは「幼少期のサマーキャンプ中、THE SMITHSの楽曲を聴くためだけに揃ってキャンプを抜け出した」ことがきっかけで関係を深めたそう。
そして、多大な影響を受けたバキバキのフォロワーが出てきたことはTHE SMITHSのメンバーにとっても気になった様子。
そして、The Drumsのライブ会場にTHE SMITHSメンバーがお忍びで来ていたとかいないとか、そんな噂も語られるようになったそう。
サマーキャンプを抜け出すところから、そうして寄り添ったTHE SMITHS本人の耳に届くところまで、なにもかもできすぎていて怖い。生き様が5週目の人たちの話だ。
私もサマーキャンプを抜け出して、The Drumsを聴くような生活を送れば、自然とアセンションできるのでしょうか?
ところでサマーキャンプって何?どこでやってるの?
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