求人応募の「電話」が苦手な人の克服方法を採用担当者が考えてみる

転職・就職活動において、電話での連絡がめちゃくちゃ苦手!という人がどんどん増えているような気がします。友人たちとの連絡にはメールやLINE、最近ではZOOMのような顔出しもできるコミュニケーションツールを使う機会も増えているために、知らない人に電話をかけるというだけでいかにもお固いシチュエーションに感じられるのかもしれません。

以前、某企業で新入社員の採用担当をしておりましたが、ハローワークや転職支援サービスを使わずに自分で求人応募の連絡をする人もおりました。そうした人の「めちゃくちゃ緊張してる感」は電話越しにもひしひしと伝わってきて、こちらも大丈夫かな……?と思うことがあったので、今回はそのあたりのお話です。

電話の対応は採用合否に関係ある?

多くの人が気にしてしまうのが「最初の電話対応でトチってしまったらもう無理?」ということではないでしょうか。

結論から申し上げますと、電話での対応によって合否が変わることはありません。

やはり面接で得られる情報に比べれば電話でのやりとりで受け取る印象なんて微々たるものですから、電話でトチってしまってもそのあとの面接できちんと弁解すれば問題ありません。チャンスがあれば「電話をかけたときに、緊張していたので失礼な対応をしていたら申し訳ありません」とテヘヘ!的に一言わびちゃいましょう。それだけでもかなり印象は変わります。

ただし、電話対応時に「あれ、この人大丈夫かな……」と思うケースがあることは事実です。そしてそのまま面接でも「やっぱりこの人大丈夫かな!?」と思った場合は、合否にかかわってしまうこともあります。

つまり、電話でトチった場合でも、面接でちゃんと挽回すればOK!ただし同じミスをくりかえすとさすがにキツいかも、ということです。

 

電話対応で採用担当者が見ているところと印象が悪かったケース

「印象が悪い!」というと即不採用感がでてしまいますが、つまるところ前述の「あれ?大丈夫かな?」をどこで感じたか、という話。私が採用担当をしていたとき、電話対応で「あれ?」と思ったのはこういうポイントです。

 

◆返事をしてくれない

極度に緊張している学生さんなんかでよくあるのですが、日時の調節などをしていて「◎◎はいかがですか?」と聞いたあと無言になるというパターン。またその無言が長くなればなるほどこちらも「あ、あれ…!?」という気持ちになってしまいます。手帳でスケジュールを確認していて返事ができなかったというパターンも多いのですが、そのときに一言「確認いたします」と言ってくれる方はとても安心感がありました。

 

求人応募の電話をかける前に準備すること

いよいよ電話をかけるタイミングでは、いきなり電話に手を伸ばすのではなく、事前に次のような準備をしておきましょう。

 

◆伝えたいことをまとめておく

電話に出た相手は、どんな人から、どんな目的でかけられた電話なのか分かりません。求人応募の電話であることを伝えるのはもちろんのこと、その他にもきちんと伝えなければいけないことはメモにまとめておきましょう。「面接のとき、どんな格好をしていけばいいか」など、直接確認したいことがあればあわせてメモをしておくと聞き忘れを防ぎやすくなり安心です。

 

◆メモ帳やペンを用意しておく!

スムーズに話が進めば「それでは、○日に面接をしましょう」という話になるはずです。せっかく面接を取り付けられたのに伝えられた日時を忘れてしまった、また必要書類や持ち物を説明されたのに忘れてしまった、ということにならないよう、必ずメモ帳やペンを用意しておいてください。自分の空いている日を確認するためにも、スケジュール帳もあわせて用意しておくと安心です。友人とでかける日程を調整したメールなど、スケジュールに関するデータがスマホの中に入っている場合には、電話をしながら「あの予定っていつだっけ?」とならないよう、スケジュール帳に移しておきましょう。

 

◆Wi-Fi環境もしくは電波のいい場所で電話をかける!

スマホから電話をするときは特に、電波の影響を大きく受けます。電波のせいでなにを言っているか分からず、相手に失礼な態度をとってしまうことがないよう、Wi-Fi環境もしくは固定電話から電話するように心がけてください。

 

求人応募の電話の最中に気をつけること

電話がつながったら、つい焦ってしまいそうですがここでもいくつか注意すべきポイントがあります。

 

◆大きな声で、はきはきと伝える

緊張していると、つい小さくぼそぼそとした声になってしまいがちです。そのときの印象がそのまま採用時の印象につながる可能性を考え、はきはきと喋ることを意識してください。

 

◆早口にならないよう、ゆっくりと伝える

緊張していると、つい早口になってしまいがちです。その結果、「せっかちな人だ」というような嫌な印象を相手に与えてしまったり「なんと言っているのか分からない」と思われたりすることもあるでしょう。

電話中は、できるだけゆっくり喋ることを心がけるべく、通常時よりも「すべての言葉をワンテンポずつ遅らせる」くらいの気持ちで話しましょう。

 

◆姿勢を正して話す

電話は相手の姿勢や表情が見えないツールでありながら、どんな姿勢で喋っているのか、不思議と伝わってしまうものです。寝転がりながらだらだらと話している場合には、声や言葉もだらだらとした雰囲気になってしまいます。

しっかりと言葉を伝えるためにも、必ず背筋を伸ばし、姿勢を正してから話すようにしてください。

 

「本当に関係あるんか?」と思ってしまうかもしれませんが、声や言葉というヒントから相手の人となりを想像する電話では、こうした細かな意識や配慮がめちゃくちゃ重要です。最初は慣れていなくて当然ですから、「そのうち経験値つんでレベルアップしよ!」くらいの気持ちでぜひチャレンジしてください~。

 

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