職場で、大変お世話になった方が退職することが決まったとき、寂しい中でも感謝の気持ちを明確に表現するために、退職祝いを贈ります。ここで悩むのが「どんな退職祝いがベストなのか?」という問題でしょう。
実際にプレゼントを渡したとき「喜んでもらえた!」ということもあれば「これ失敗だったのでは?」ということも正直あったので、自分なりの反省を踏まえてご紹介していきます。
※あくまで私の場合の例なので、渡す人が変われば反応も当然変わります。あくまでご参考程度に。
退職祝いの相場は?
退職祝いの相場は1万~3万円とされています。
が、これは「社員みんなからお金を集めて、ひとつのものを贈る場合」の相場です。お世話になった相手へ、個人的にお礼を伝えたい場合には3000~1万円くらいを目安にしましょう。
退職祝いの水引は紅白の蝶結びを選び、のしをつけてください。表書きには「退職祝」、「祝御退職」、「祝御退官」、「御祝」、「御引退記念」などを選びましょう。
連名で贈るときは、代表者の名前と「他一同」と書けばOKです。
退職祝いを贈るタイミングと渡し方
退職祝いは、相手が退社する3日~1週間前を目安に渡しましょう。
また、送別会が開かれるのであれば送別会で渡しますが、送別会を開かないなら個人的に呼びつけて渡します。人目のある場所で渡すと、用意していない人がいる場合に気まずい思いをさせてしまうので注意です。
退職祝いに贈ってはいけないプレゼントに注意
退職祝いでは、プレゼントすることで失礼にあたるタブーアイテムがあります。
ハンカチ
男女とわず使うシーンの多いハンカチですが「手巾」と呼ばれます。
「手巾」→「てぎれ」→「手切れ」→「縁を切る」という意味から、退職祝いとして渡すことは完全に縁を切るという意味合いにとられてしまう可能性があります。
ちなみに海外では、「ハンカチは涙を拭くもの」というおしゃれな理由でやっぱり贈り物に適さないとされているそうです。
包丁やはさみ
ハンカチと同じように包丁やはさみのような切ることを目的にしたアイテムは「縁を切る」という意味があります。
これらのアイテムは、相手からの希望がない限り贈らないようにしてください。
特に目上の人への贈り物はトラブルが起きやすいのでこちらもご参考ください。
【贈り物・プレゼントのマナー&タブー】上司や目上の人に失礼にならないために
退職祝いで実際に贈って喜ばれたプレゼント
実際に、退職祝いとして贈ったものの中から喜ばれたものをご紹介していきます。
アルコール
やっぱりお祝いには間違いのない贈り物の定番。相手が「お酒好きかどうか」「どんなお酒が好きか」を知っているのなら、個人的には勝率100%と言っていいくらい喜ばれます。
価格帯も広いので、色んな選択肢があるのも魅力。予算にちょうどいいものが見つからなければ、おつまみと組み合わせるのもおすすめです。例えば「人気の日本酒と、そのお酒の土地柄にまつわるおとりよせおつまみ」をセットにして贈るなど。
「実はお酒が飲めない、好きじゃない」というような可能性がないのであれば、外れのないプレゼントといえそうです。
旅行券、宿泊券
定年退職のときには特に、これからの自由な時間を存分に使えるプレゼントがおすすめ。「金券類は味気なく感じてしまう」という人もいるかもしれませんが、実際に渡してみた感覚としてはかなり喜ばれます!
働きながら忙しい毎日を送っていた方も、旅行券をお渡しすると
「これからは時間ならいくらでもあるからな~」
「久しぶりに○○に行きたいな~」
と、渡したそばから予定を膨らませていて、喜んでくれているのがわかりほっこりしました。近年「体験型ギフト」も多く展開されているので「旅館の無料宿泊券」や「レジャー施設の無料券」などもおすすめです。
ガジェット関連アイテム
年齢が高い方や、あまり使いこなしているイメージのない方の場合「興味ないかも?」と思いがちなのですが、実際に贈ってみたら予想以上に喜ばれてびっくりしたアイテムナンバーワンです。
具体的には、モバイルモニターやWEBカメラ、ワイヤレスイヤホン、スマートスピーカー、スマートウォッチなど。
話を聞いてみたら「ずっと気になってたけど、自分で買うのはちょっとなあと思っていた」「ほしかったけど使いこなせるか自信がなかった」という理由で、自分では買いにくかったみたいです。でももらったからには活用したい!とめちゃくちゃ喜ばれました。
もちろん若い方にも喜ばれます。転職の場合、次の職場で活躍する可能性があるのも魅力。価格の幅も広いので、予算にあわせてどうぞ。
退職祝いで実際に贈って失敗したプレゼント
ではここからは、悲しい体験談をどうぞ。
旅行券、宿泊券
「あれ?さっきも見たぞ?」と思うかもしれませんが、先ほど挙げた「定年退職」に限らず「退職」に際して贈ったときに「やっちまったな」を実感しました。
退職後、相手は管轄のハローワークへ頻繁に通い、諸手続きをしたり失業保険適用期間もそこそこに再就職先を見つけたりして、結局ゆっくり旅行に行く時間はなかったみたいです。「家庭の事情で」と聞いていて、実際は親御さんにつきっきりでの介護が必要になったなど、退職の理由によってもなかなか使いにくいプレゼントになる意可能性があります。
ミシンなどの手芸用品
手芸がお好きと聞いていた方が退職すると聞いて、機能性の優れたミシンを贈ったのですが上記の理由とほとんど同じ理由で失敗しました。
「時間ができたらやりたいんだけどね~」とおっしゃっていましたが、やはり退職したからといってすぐさま時間を確保できるわけではないものです。結局使うタイミングがないそうで、場所をとるばかりの贈り物を贈ってしまったなあと反省しました。
キッチン用品
結婚祝いなども含めて、あらゆるお祝いシーンで役立つキッチン用品ですが、相手の生活環境をよく知らないときに贈るのは危険だなと感じたことがありました。
というのも、とってもデザイン性が高くて使い勝手もいいお鍋とフライパンのセットを贈ったのですが、どうやら相手のキッチン環境はオール電化でかつ贈ったものはIH非対応だったんですね。思わぬ落とし穴でした。ご注意あれ。
花束
とても悲しかった失敗プレゼントがこれでした。渡したそばから「うち、花瓶ないんだよね」の言葉を投げられ、最終的に送別会会場に置いて帰られる始末。「間違えて忘れていっちゃった~」という謝罪がありましたが、正直なところ「いらなかったし持ち帰りのときに荷物になるから置いていったんだろうな」と邪推してしまいました。
もちろん、ここまでの悲しいケースは少ないと思いますが、管理の楽なプリザーブドフラワーなどの方が喜ばれやすいかもしれません。
どんな贈り物も相手次第で「最高のプレゼント」にも「全然いらないもの」にもなり得ます。相手のことを思ったプレゼント選びを実現したいですね。
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