完全フリーランスに転向して、なんだかんだで3年目です。そして、脱サラ、独立、フリーランス転向を近々検討しているという人から「どう?やっていけてる?実際のところどうなのよ?」と聞かれることもちょこちょこあります。
やっていけているかどうかと言えば、ぼちぼちでんなあ、に満たずギリギリでんなあ、という感じなのですが、それよりなにより「独立前にもっと準備しておけばよかった!」という事柄が非常にたくさんありますので、その辺りについてご紹介していきます。今後独立予定の方の参考になれば幸いであります。
とりあえず5社くらいに勤めておけばよかった
フリーになってから自分の社会経験のなさを恥じることも多く、特に思うのは「会社とは」ということを知らないまま外へ出てしまったことの後悔です。
例えば、フリーランスの立場から同じことを提案するにしても「○○で働いていた経験があるのですがそのときにこう感じて~……」という一言があるとないとでは、印象がかなり変わります。とにかく説得力が出るんです、たとえ数週間勤めていただけの企業であったとしても。
職業を通じて身につけた技術や知識は、どんな形で独立しても必ず役立つと思うので、色んな企業に勤めておけばよかった。「転職はリスクが……」という話もよく聞きますが、ひとつの企業によるローカルルールに甘く殺されてしまうと、自分らしさを取り戻すのに時間がかかってしまう気がするので「まあ俺そのうち独立すっし!」という気持ちで色んな企業をポコポコ渡り歩くくらいのゆるさでもいいのかなあと、今となっては思います。
同業者の友人を作っておけばよかった
同業者の友人はおろか友人というものがほとんどいない私は、仕事を請ける上で単価の相場など、まったく知らない状態で仕事を安請け合いしていました。
しばらくして、じわじわ同業者の知り合いが増えていったあと自分が低単価で仕事を請けていたことを知りました。
それを知って付き合いの長いクライアントさんにおずおずと「単価アップできますか……?」と聞いてみたら、二つ返事でOKだったのです。もっと同業者の友人を増やして、もっと業界の「当たり前」を早く知って、色んなことをもっと早くやっておけばよかった……!と思わずにはいられませんでした。
時給計算するクセを直しておけばよかった
お金にまつわることで特に後悔しているのは「つい時給計算しがちだった」ということ。雇われる側として働くときには、フリーターでもアルバイトでも社員でも「この時間(この期間)働いたら○円」という風にお金を手に入れますよね。
しかしフリーランスでは、時間の成約がないため自分で勤務時間を減らそうと思えばいくらでもできるし、逆にずっと仕事ばっかりしているという働き方もできます。そして、同じ仕事も何度も繰り返せばどんどん精度がアップし、時間も短縮できるようになっていきます。
そうすれば、最初は時給換算で200円くらいの仕事でも、気付いたら時給2000円だわ!いつのまにかめちゃ早で終わらせられるようになってんじゃんヤッピー!みたいなことも十分起こりうるわけです。同業者の方が運営しているブログやコンテンツを拝見したときに、時給換算すること自体が雇われる側の考え方だというコメントを見かけたときには、た、確かに~!と思いました。
仕事を請けるときも断るときも、時給ではなく「スキルアップにつながるか」「納得できる環境で働くことができるか」ということを意識すればよかったなあと思います。
休む時間を決めて確保すればよかった
1年目は特に「うまくやっていけるのだろうか?」というような不安もあって、休む時間=悪と思い込んでいたところがありました。
「休むくらいなら1円でも稼ぎたい」「なにかしらしていないと不安」という気持ちが先走って、ロクに休むことなくずーっとパソコンにかじりついていました。でも生産性や効率を考えると、休むときはちゃんと休み、時間をきめてがっつり仕事に向き合うほうがいいんですよね。世の中には「休む技術」という本もあるんですけれども、それでいうと私は休む技術がめちゃくちゃ低いです。ドへたくそといって差し支えない。
この一瞬めっちゃ稼いだ!という記録を作るためにはぶっ通しで仕事をするのもいいんですが、コンスタントにきちんと成果を出している人は、休むのが上手い人ばかりです。この課題は正直なところ、今も解決できていないのでちゃんと休めるようにならないと……!
……というように、いざフリーランスで働き出してみると色々と思うことが本当に本当に多いです。今後同じ轍を踏む方がいないようにと願うばかり。
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