このところめっきりドリームポップやAORにハマっているのですが、そのあたりのジャンルを掘っていると必ずと言っていいほどぶつかるのが「ベッドルームポップ」というジャンル。もはや「ポップとは何なのか……?」というレベルに細分化されていく音楽ジャンルについて、ちょっと探ってみました。
「ベッドルームポップ」の定義が気になる
まずはそもそも「ベッドルームポップ」とは何なのか、ということから。参考資料として、タワレコ公式に書かれていた内容を引用します。
〈ベッドルーム・ポップ〉の定義は人それぞれだろうが、2012年に活躍した、特に女性アーティストの多くに〈家の中感〉があったのは確か。壁に向かって体育座りして聴きたくなる、メロウで内向きな世界観を提示した転校生やハルカトミユキ、そしてムズ痒い心の葛藤や移ろいをふんわりラップに映した泉まくらはジャケからして自室だった。また曲調に闇はないものの、恋と性を赤裸々に押し出して女子の本質を晒したさめざめも——一応セックスする場所はベッドルームだしってことで!
一応こんなような定義があるみたいですが、一読すれば分かる通り非常にあいまいです。
ちなみにInstagramで#bedroompopというタグ検索をしてみるとなにやら色々出てきます。投稿者は英語圏の方が多いようなので、国外ではポピュラーな音楽ジャンルと言えるようです。ということで、ベッドルームポップのアーティストをまとめていきます。
urbanation
カリフォルニアで活躍している女性のソロプロジェクト。芯のある歌声で、ベッドルームポップ、ひいてはドリームポップの代名詞ともいえる優しげなボーカルを実現します。すべての矢印が内側に向けられているアーティストという感じでとても好感が持てる、注目したいシンガーソングライターです。
Beauty Queen
ハワイ出身、オークランドで活躍する女性ボーカル。独特の浮遊感が心地いいです。曲によってはサイケ的な要素をつめこんだようなものもあり「ベッドルームポップ」の器のでかさを感じさせます。バランス感覚がすごくいいな~という印象のアーティストです。
Luna Luna
最初、なにやらえらくポップなジャケが、これまでに薄ぼんやりと抱いていた「ベッドルームポップ」の印象と結びつかずどうなんじゃろか?と思ってしまったのですが、一聴して印象ががらりと変わりました。ほどよくムーディ、ほどよく気だるげ。「DJ ○○~!!」みたいなバチバチハイファイガンアガりトラックのような雰囲気から、いい意味で裏切られます。
ニック・ハキム
ブルックリンを拠点にするシンガーでありプロデューサー。以前「ドリームポップやシューゲイザーの名盤はロサンゼルスおよびブルックリンで量産されている説」という記事でも書いたのですが、ブルックリンのアーティストは不思議な吸引力がありますね。
マーヴィン・ゲイやシュギー・オーティスの影響を受けたと語っているほか、かなり教養が深そうなところも推せるポイント。
メトロノリ
2008年より楽曲制作、2010年よりバンド活動に取り組んでいる93年生まれの女性アーティスト。霜降り明星のせいやさんが提唱しはじめた「お笑い第七世代」という言葉もありますが、彼女はさながら打ち込み第七世代でしょうか。
新曲 ”湖に行って!” https://t.co/nvfxSNAoat
— メトロノリ (@Metoronori_) 2017年12月29日
公式SNSを見ていると、いいペースで楽曲を作成し積極的に配信しているところも好感が持てます。
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