仕事をする上で「努力が報われない」自分は頑張っているのに同じチームの人は協力してくれない」「不公平だと感じる」という感情は、会社への不信感やモチベーションダウンにつながります。
そこで活躍するのが「社内表彰制度」です。「普段通りに働いていたつもりなのに、褒められた、表彰された」というのは大人も子供もやっぱりうれしいできごと。時に社員のやる気を引き出し、時にチームワークを強固にする社内表彰制度について、色んな企業での取り組みを見て面白かったものをまとめてみました。
「社内表彰」の落とし穴
まずは社内表彰制度の基本から。その名の通り、優秀な社員を表彰することが社内表彰の目的です。社内表彰制度を用いることで「この会社は努力を評価してくれる」「自分の頑張りを証明できた」「来月こそは表彰されたい」など、ポジティブな気持ちを引き出すことにつながります。特に、表彰者への金一封など大きな魅力があれば「表彰に値するように仕事をこなさなければ!」という気持ちが湧きやすくなります。
とは言え、何をもってして「あなたは優秀です!当社に貢献しています!」と言うかについては、正直難しいところ。
単純に「契約獲得数」などわかりやすい形で表彰を行った場合、ノウハウと人脈を持つベテラン社員が常にトップとして表彰され続ける……という事態にもなりかねません。これは非常に危険。新入社員にとっては「ちょっと頑張ったところで、どうせ自分なんかダメなんだ……」とかえってモチベーションが下がるきっかけになるかもしれませんから、それならやらないほうがいいという話にもなってしまいます。
しかし、社内表彰制度は「必ずこうしなければならない」という決まりがあるような明確なものではありませんから、会社ごとに独自の遊び心を入れ放題です。取り入れ方によっては、社員の結束を強め職場環境をがらりと変える着火材にもなります。
社内表彰の種類と基準
社内表彰制度の主な種類と、評価基準はこんな感じ。
- 「成績優秀賞」好成績をおさめた社員へ送る賞
- 「優秀チーム賞」好成績をおさめたチームへ送る賞
- 「永年勤続賞」一定の期間、健康に勤続した人へ送る賞
- 「ルーキー賞」入社一年目の社員の中から、成績優秀者へ送る賞
- 「チームワーク賞」チーム内での協力し合う関係をたたえる賞
しかしこれはあくまで、一般論にすぎません。社内表彰制度には明確な決まりがないため、面白い案件を自由に入れることがおすすめです。
社内表彰制度のユニークな事例
ちょっとユニークな企業の「オリジナル社内表彰」があれば、それ自身が企業の魅力になってくれるかもしれません。例えば、こんな社内表彰を取り入れてみるのもアリです。
- 「笑顔がステキ賞」ニコニコした好印象な社員へ送る賞
- 「レスポンス賞」社内メールやチャットのレスポンスが早く、迅速な対応をしてくれる社員へ送る賞
- 「ホメ○○賞」某褒め上手芸人さんのように、相手のいいところを探すのがうまい人へ送る賞
- 「気配り賞」周囲への気配りができる優秀な人へ送る賞
- 「早起き賞」朝早く出社して社内の環境を整えてくれる人へ送る賞
- 「グルメ賞」社内への差し入れやお土産として、美味しいスイーツやグルメを差し入れてくれた人へ送る賞
- 「企画力賞」社内イベントや飲み会、旅行などの企画を率先して立ててくれた人へ送る賞
こうした賞の受賞者は投票制にして、社員全員で決定するのも面白いですね。
社内表彰制度を導入するときに気をつけるべきこと
社内表彰は社員のモチベーションやチームワーク強化につながる一方で、やり方によっては企業への不信感を高める可能性があるため注意が必要です。
特に注意しなければいけないのが「評価基準」。
例えば「成績優秀者」を選出するとき「なぜあの社員が選ばれたのか?」「なぜこの社員は選ばれなかったのか?」という詳細が不明では「社員のことをよく見ていない、頑張っていても評価されない」という印象につながりかねません。最悪のケースでは「あの人は●●さんがお気に入りだからあの人ばかり評価される」、「自分は嫌われているから評価されない」といった不信感につながってしまいます。たとえ妄想であっても、一度思い込んでしまうと溝は深まるばかりですから十分注意するとともに、拗ねがちな社員のケアも行いましょう。
◆トラブルを回避するためには……
「○月における新規営業先開拓数がもっとも多かった社員を、成績優秀者として表彰します」というように、評価基準を明確にした上で、事前に告知をしてから選出しましょう。
初回は事前告知しておくことがおすすめですが、以降は抜き打ちで表彰を行ってもOK。そうすることで、社内の緊張感を保ちやすくなります。
そして何より、公平・公正な目で社内を見渡すことが大切です。管理職にとっても、人事部にとっても、その他の各部署の社員にとっても、社内表彰制度は今ある環境を見直すための大切な時間になるはずです。
※追記…ご好評につき、part2記事を作成いたしました→社内表彰・報奨制度のユニークな事例で社員のモチベーションをアップさせるpart2
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