50代女性に転職・再就職は可能か?ポイントを元・面接官の視点で考えてみた

私の叔母(50代)が、ふいに「働きに出たい」と言い始めました。娘が嫁に行ったり、旦那とともに過ごす時間が増えてしまったりなんだりで、第二の人生を謳歌したいようです。叔母は、結婚前には一般企業に勤めていたものの、その後はいわゆる専業主婦。

ちょこちょこアルバイト経験もあるそうですが、少なくともこの数年にそうした経験はなく、ほぼノースキル状態。年齢という面でも、積極的に雇用してもらえるかは微妙なところです。

とても不安そうにしていたため、前職で新入社員の面接官をしていた私が思う、50代女性に転職・再就職時のポイントをまとめてみました。

職業にこだわらない

就職する上では「事務がいい」「日給は○円以上がいい」という希望から、「この業界のことはよく分からないから嫌」ということまで、さまざまな希望があることでしょう。

しかし、スムーズな就職のためには、職種から条件まで絞りすぎないことがベスト。特に職種は、入社後に「やっぱりこっちの部署に行ってほしい」というようにのちのち変わる可能性もあることから「どうしてもなにがあっても絶対にやりたくない!」というもの以外はこだわりすぎないようにしましょう。

これまで敬遠していた職種も、やってみたら意外とイケた!ということもあるかもしれません。

 

持っている資格はフル活用でアピールする

簿記検定とか、秘書検定とか、何でもいいから何か資格ありませんか?思いつくものがあったら、ここぞとばかりに履歴書に書いておきましょう。

例えば「秘書検定を持っているけれど、今回応募する企業では使わないだろう」「保育士免許を持っているけれど、保育士として採用されたいわけではない」というようなケースもあると思います。しかし、資格はとにかく武器。なにがどうつながって面接官の興味を引くかわかりません。

「へー!前職保育士なんだ!ぼくの妻も保育士でね~」みたいな話から、話が盛り上がりに盛り上がってぬるっと採用、というケースも考えられます。面接官も人間なので、せっかくなら話が弾みいい印象を抱いた人を採用したくなります。

「とったはとったけど、内容をまったく覚えていない」という資格でも、とりあえず記載しておいて損はないでしょう。

 

趣味でも活かせるスキルを強みにする

「料理が趣味で、週末にはこんなものも作ります」というようなエピソードでも、面接官が食いつく可能性大アリです。

例えば、趣味の話の延長で上記のようなコメントをしておけば、飲食系のアルバイト先では「ホールスタッフを探しているけれど、料理が得意なら忙しいときにキッチン補助も頼めるかも」というような考えになるわけです。

「人に言えるほどの出来じゃないけど……」的な謙虚さは一旦捨てて、がんがんアピールしたもん勝ちです。

 

資格取得からはじめてみる

どうしても秀でた趣味や特技や資格が思いつかない!というときには、資格取得を目指すところからはじめてみるのも手です。

極論、面接までに合格できなくてもかまいません

例えば、面接先企業で役立ちそうな資格を挙げて「現在、○○1級に向けて勉強中です」と言うだけで「あなたの業界に関心があります」アピールになります。とにかくやってりゃいいんです。やっているという事実さえあれば、意欲のアピールになります。

とは言え「どんな勉強をしていますか?」等聞かれる可能性もゼロではないので、見栄を張ってやってもいないことを「やってます!」とアピールするのはやめましょう。ぼろは絶対に出ます。

 

切実さをアピールしてみる

ちょっとお涙頂戴的な話になりますが、「スキルがない状態で転職・再就職なんて雇ってもらえないんじゃ……」という不安を逆手にとり「こんな状況でも、稼がなきゃいけないんです!」と面接官に訴えるのも、ありかもしれません。

例えば

「息子が私立高校に進学を希望していて、養育費を稼がなければいけないので……」「旦那が急にリストラされてしまい……」「親の介護費用が必要なので……」

などと言われてしまった日には、いくら冷静に面接をしなければならないと分かっていても「大変だな~」と思ってしまうもの。

それ自体が直接合否に関係するとは言いがたいにせよ「この業界に憧れがあって!」というキラキラ新入社員より、稼がなければいけない切実な理由がある妙齢の方のほうが、仕事の中でちょっと嫌なことがあっても辞めずに長く働いてくれるんじゃないかと、私なら感じます。

「情に訴える」というと聞こえが悪いかもしれませんが、あなたの働きたい素直な理由を活かしてみてはいかがでしょうか。

 

表向きは「雇用について、年齢や性別による区別はない」としている企業でも、その実態はなかなかシビアです。そんな時代を生き抜くためにも、ちょっとした狡猾さはもはや必要不可欠のスキルと言えるのではないでしょうか。あるものすべてを武器にするつもりで、あらためて自分の武器になるスキルはないか探してみてください。

 

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