現代文・古文・漢文のテスト成績を上げるために、元塾講師が勧めたいこと

元塾講師です。これまでに、「ねむい」と「はらへった」が会話の7割を占めているようなかわいいかわいい生徒たちを、何人も志望校へねじ込んできました。

指導を続けていくと、次第に「勉強法って、案外こんなもんなのでは?」と思うことが増えていったので、今回は中学生から高校生の生徒を指導するときに意識的に伝えていたことや、勉強のコツをまとめました。

漢字の勉強はしなくてもいい説

漢字関連の問題は配点のおよそ5~8%が相場です。しかも、範囲がめちゃくちゃに広く、そのうちのたった数問しか出題されません。

そのため、正直なことを言うと漢字が本当に苦手なのであれば、漢字問題は捨てて別の部分を勉強した方がいいです。

ただし、これは「センター入試直前の必勝法」とか「目の前に差し迫ったテストで点数をとるためには」という話。

例えば中1の最初のテストで「漢字は苦手だから別のところを勉強しよう」と投げてしまったら、次のテストでは前回の範囲と今回の範囲、両方の漢字を勉強しなおさなければいけません。そして中2、中3、高1……と年齢を重ねるごと、かなり昔に習ったものまで遡って漢字を覚えなおさなければいけなくなります。

書けない・読めない漢字は、借金みたいなものです。

増えれば増えるほどできないことも増えて身動きがとれなくなっていく、かと言ってちょっとの努力ではきちんと貯蓄してきた人(=毎日勉強してきた人)と同じにはなれない。だからと言ってすべてを諦めるのはあまりにももったいないので、まずは10円貯金をするような感覚で、少しずつ覚えていきましょう。



好きな漫画から覚えるとか、好きなアーティスト・アイドルの曲の歌詞を全部書いてみるとか、そんなんでいいです。先生とか親御さんに何か言われても「これは塾講師が勧めていた国語の勉強方法だ!」と居直ってください。

 

評論文の難しい文章は意味が分からなくても点数とれる説

現代文のテストやセンター試験では、評論文の問題が必ず出ますね。しかも内容がめちゃくちゃ難しい。初めて聞くんですけど???みたいな単語が次から次へ出てきて、目を通すだけでもやる気がそがれます。

そのため評論文を苦手とする生徒は多いのですが、私的には評論文の問題は若干出来レースだと思っています。

なぜなら、びっくりするくらい問題のパターンが決まっているから。試しに、行きたい大学や高校の過去問を10年分くらい持ってきて、評論文だけやってみてください。「なんかこんなようなこと、前も聞かれたな?」っていうパターンが見えてくるはずです。

評論文あるある、それは「○○とはどういうことか」「説明せよ」。

これ系の問題は、文中に絶対に答えがあります。「○○」と同じ意味を持つ言葉がすでに答えとして潜んでいて、それを探して持ってきてくださいね!というゲームです。神経衰弱みたいなものなんです。

 

古文は英語説

意味が分からないと思いますが聞いてください。「こいつ何言ってるんだ?」と首をかしげながらでも聞いてください。今、古文をやっているそこのあなた。古文の成績があがらなくて「つんだ~」と言いながらDSに手を伸ばしているあなた。あなたひょっとして、古文を日本語だと思っていませんか?

事実と言えば事実なのですが、この思い込みはとても怖いです。なぜなら「古文って言ったって日本語だし」という思いが、古文を現代的に解釈して失点するというめちゃくちゃよくあるトラブルの引き金になるんです。分かりやすいところでいうと「おかし(をかし)」を「お菓子」「おかしい」と解釈するとかですね。これは、古文は日本語だから、今の言葉と同じように考えていいだろうという思い込みがもとになって発生します。

古文は現代語ではありません。ほとんど外国語です。英語の長文を読むとき、単語をいっこずつ調べたり、文法書を参考にしたりして少しずつ確実に理解しようとしますよね。

古文も同じように解いてください。とにかく逐語訳を繰り返してください。

 

漢文の勉強めちゃくちゃ楽説



漢文は、とにかく読みにくいため漢字アレルギーを持つ人なら見ただけで卒倒しかねません。しかし実際は、これほど楽な科目はないというくらい楽で、難易度も高くない科目です。例えばセンター試験合格のため、現代文学習に必要な時間はおよそ500時間と言われています。毎日8時間、きっちり現代文だけを勉強し続けても、2ヶ月以上かかります。

もちろん、寝る時間や休む時間、他教科の勉強をする時間も必要なので、現実的に考えると毎日2時間ずつ、月25日勉強するとしますよね。それでも、センター試験に臨めるくらいの学力を身につけるには1年近くかかります。

ちなみに、古文に必要と言われているのは250時間。

現代文2時間、古文1時間で計算しても、毎日の大切な学習時間のうち3時間を国語系教科にとられてしまいます。

一方で、漢文に必要と言われている勉強時間は100時間。うち、ほとんどの時間は読解に費やす時間です。単語は英単語に比べるとかなり数が少なく、句法もそこまでややこしくありません。

あらかじめ句法を頭に入れて、あとはひたすら読解を繰り返すというシンプルな勉強方法を繰り返していれば問題ありません。

コツはとにかく何度も繰り返し解くということ。漢文の問題は「またこの問題かよ~」というところまで持っていくことが第一ステップです。色んな問題集を買うとか、色んな勉強法を試すとか、そんなことしなくていいです。

センター試験へ向けた学習の場合は、センター過去問をひたすら解くことがおすすめです。

色んな公式を覚えたり、当てはめたりという手間がないため、往復学習をとにかく淡々とこなしてください。なんなら、ちょっと疲れているときにやるのもおすすめ。最初は難しく感じていても、繰り返しているうちに「あれ、自分結構できるんじゃ?」という瞬間が来ます。

そしてこの瞬間が、勉強の楽しさにつながるんです。がんばりましょ!

ついでにこちらもどうぞ→貯金ゼロでもできる!学生時代にすべきこと

 

【関連記事】

勉強にまつわる永遠の疑問「この公式覚えて大人になってから役立つの?」に答える

復習はなぜ大事なのか?やり方が分からない学生のためのコツ

【学生も主婦も】毎日がつまらないときの過ごし方~あんまりお金かけない編~

【語学留学したい学生向け】準備すべきことと反対されたときの説得方法

貯金ゼロでも◎大学生・高校生が学生時代にやるべきこととやらなくていいこと