勉強にまつわる永遠の疑問「この公式覚えて大人になってから役立つの?」に答える

以前、塾講師をしていたときに、勉強が嫌で嫌でしゃーない生徒たちの尻をひたすら叩く仕事をしていました。勉強を教えるではなく、やる気をどうにかこうにか出すことが仕事の本質だったと思います。仕事中、生徒たちからよく聞かれていたのが「この公式覚えて、大人になってから役立つの?」。本当に本当によく聞かれていました。その話をしていきます。

学生は覚えなきゃいけない公式や年表が多すぎる

ツーカー。もうええわに対するありがとうございました。そんなノリで、学校や塾やそのほかさまざまなシーンで繰り広げられる「この公式は覚えておきましょうね」「覚えて何になるの!?」

もちろん、この問いかけは本当に気になって聞いているということではなく、とにかく勉強がしたくなさすぎて、逃れるために言っているのだと思います。とはいえ、何度も何度もくりかえし聞かれると、そろそろ「なぜ公式を覚えなければならないのか」のアンサーを用意しておかないといけないのだろうな、という気持ちになります。

 

「この公式大人になって使うの?」のアンサー

答えはシンプル「使わねえよ」!!ぜんっぜん使わない!!もちろん職業によるでしょうし「私は今も使っていますが?」と胸をはる人もいるでしょう!そういうこともあるでしょう!おめでとうございます!でもほとんどの人は使わないです!

しかしながら、だからといって「使わないから覚えなくていい」というわけではありません。「訳わからんけどとりあえず覚えなきゃいけないことを覚える」というのは、もしかすると大人になるための通過儀礼なのかもしれませんね。

 

訳の分からない勉強をしなければならない理由

例えば「来週○○社にご挨拶にいくから、先方の代表者の名前とか製品の名前とか覚えとかなきゃ!」とかそういうことがあります。でもご挨拶に行ってお仕事もらえなかったら、秒で忘れるから。脳内で記憶に火ぃつけて秒で焼き払いてえ。取引先でもなんでもない企業の代表者の名前とか、まじでそれこそこの知識どこで使うのランキング1位だから。でもそれをやらなきゃいけない。つまるところ「勉強」が将来の役に立つわけじゃなくて「勉強っていうマジで1ミリもやりたくないことにどうやって向き合ってどうやって乗り越えたか」という方法、姿勢、考え方などが、将来の役に立つんだと思います。

だから私は塾講師をやっていたときも、生徒のモチベーションがべろべろに落ち込んでいたら「やりたくないならやんなくていい」と伝えていました。イヤイヤやっても「向き合った成果」にはならないわけだし。

ただ、今後やりたくないことと向き合わなきゃいけないシーンはたくさんあると思うから、そのときどうしようっていうのは考えたほうがいいよね、と。そうすると生徒は説教されていると感じるらしく「やりたくないことなんかやらない!どうしてもやんなきゃいけないなら死ぬ!!」みたいなヤケクソおじさん返答をはじめてしまうんですが、いやそんな状態にまでなっちゃうんならとりあえず1+1の答えだけ書き込んでみようや、ということです。死ぬより勉強するほうがよほど楽じゃん。絶対に楽だよ。リアリティのない死と、日常の中にいつもある勉強をはかりにのせるとそんなことないと思えるかもしれないけど、でも絶対に楽だよ。

やりたくないことをやらないでいるのってめちゃくちゃ難しいから、多くの人が思考を停止させて「やりたくないけどとりあえずやった」という、より楽に達成できる成果に結びつけているのだと思います。それは大人も子どもも変わらず。

それを賛歌したいわけじゃないので「やりたくなくても勉強は絶対にやらなきゃいけないんです!やりなさい!!」とは言いません。でもじゃあ、どうしようね。どうしたらいいんだろうね。私も分からないです。もし「こうしたら勉強をしなくて済むんじゃないか?」という方法に勘付いている学生がいるとしたら、天才かもしれないね。

 

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