暑さや寒さに身体が追いつかなくなりがちな私は「体調を整える」「強い身体を作る」ということが、生まれてから死ぬまで絶えず悩まされ続けている重大なテーマです。
色々なアスリートの本を参考に、どうにか強靭な心身を身につけられないものかと悩む中で、特に感銘を受けたのが三浦雄一郎さん。年齢だけで見ると、自分の祖父よりも年上である三浦雄一郎さんのマインドが、ものすごく素敵だったのでまとめてみます。
三浦雄一郎さんのすごすぎる功績
三浦雄一郎さんは、青森県生まれのプロスキーヤーであり、登山家です。
三浦雄一郎さんのバイタリティは素晴らしく、2018年現在、3度のエベレスト登頂に成功。特に3回目のエベレスト登頂は、世界最高齢80歳での登頂を成功させています。
「世界最高齢エベレスト登山記録保持者」として、ギネスブックにも登録されました。
そんな三浦雄一郎さんのライバルとも言うべき相手に、ネパール人男性ミン・バハドゥール・シェルチャンさんがいます。シェルチャンさんは、三浦さんと「世界最高齢」を争い刺激し合いながらエベレストに挑んでいましたが、2017年、85歳でのエベレスト登頂にチャレンジし、ベースキャンプにて心臓発作を起こし他界してしまいました。
三浦雄一郎さんのトレーニング術
そもそも素人的には「80歳を超えてエベレストに登ろうなんてとんでもない……!」と思ってしまうのですが、並々ならぬ努力家である三浦雄一郎さんは、偉業を達成するために日常の中にあらゆる習慣を取り入れています。
例えば、重圧に耐えるための「重りトレーニング」。
日常生活の中で常に20kg近いリュックサックを背負っていたり、手足に重りをつけて外出したり、三浦雄一郎さんは健康的にエベレスト登頂を叶えるためドラゴンボールさながらの修行をしているそうです。
さらに、ウォーキングも欠かさず、どこへ行くのもトレーニングというよりむしろ「楽しいこと」という感覚で臨み、何気ない習慣から身体作りを行っているそうです。
その他にも、美しい姿勢をキープするよう意識したり、舌出しトレーニングを行ったりと、コツコツと習慣を続けながら、心身を鍛えているそうです。
面白いのが、ドラゴンボール風重りトレーニング以外には、案外普遍的なトレーニングをしているということ。
エベレストを80歳で登頂するという世界的な記録を作っている人なのだから、相当過酷なトレーニングをしているのではと勝手に思っていました。ムチでしばかれながら外周を走るとか。
しかし実際は、よくあるトレーニング方法をじっくりしっかり続けるという習慣こそが、世界レベルの肉体を作っているのでした。
タフな身体を作るための「呼吸法」
エベレスト登頂を叶えたときの、非常に重要なポイントとして三浦雄一郎さんは「呼吸法」を挙げています。
食事は一日抜いても死ぬほどのことはないが、呼吸は数分止めただけで死んでしまう。それだけ生命に深く影響を与えるのものだから、呼吸法で人生が変わることだってあり得るだろう。
こんな言葉からも、三浦雄一郎さんが毎日の生活の中で「呼吸」を非常に大切に扱っていたことが分かりますね。
「呼吸法で人生が変わる」。
特にずっしり響いたのがこの言葉です。確かに、呼吸はしなければ生きていけないものなのに、あまりにも日常生活に馴染んでいるので、これまでロクに意識しないままでいました。
三浦雄一郎さんは、意図的に片方の鼻を押さえて呼吸をする習慣をつけているそうです。そうすると、吸い込める空気の量が少なくなってしまうため、自然と深い呼吸ができるようになるのだとか。
「深呼吸でリラックスをする」というセルフ治癒方法が根付いているように、呼吸が心身に与える影響が大きいことを分かっていながら、日常生活の中で意識的に深い呼吸をする習慣は、そういえばありませんでした。
「人生を変えたい!」という目的ではなくても、ただ今よりももっと心地よく、健康的に、毎日の生活を送りたいという思いが芽生えたときに、呼吸に注目してみるのがいいのかもしれません。
三浦雄一郎さんのようになるために
三浦雄一郎さんのタフさは、驚くほどシンプルなトレーニングによって作り出されていました。しかも、すべてのトレーニングが楽しいという気持ちから行われているのが、三浦雄一郎さんのすごいところ。
歩くのが楽しい、深い呼吸をすると気持ちいい、という気持ちで、いきいきとトレーニングに励んでいる様子を見ていると、そりゃあ世界レベルの心身も手に入るだろうなあ、と感じます。それほどに、自身の言動にぶれがなく、自分のやりたいこをまっとうしているように見えるのです。
最近、Twitterで「自分がやりたいことよりも、やってはいけないことを探していないか」というような文章が流れてきました。目にした人、そしてハッとした人は多いと思います。
自分のしたいことに正直でいれば、本当は誰もが三浦雄一郎さんのようなタフさを手に入れられるのかもしれません。
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