最終回を迎えたおっさんずラブの考察(ネタバレ有)をまとめてOLロスを防ごうというもくろみ

2018年5月~6月期における覇権ドラマは、やはりおっさんずラブで間違いないでしょうか。放送が終了したあとも、幻の8話が登場したりと余韻覚めやらぬ今。

改めて、あらゆる噂や考察が出回っているので、見ていて「!」と思った部分やその感想と合わせて、最終回までの内容をざっくりとまとめてみました。主に自分用なので、分かりづらい箇所があったらごめんなさい。

※「このシーンに気付いた、この考察をした張本人ですが載せないでください!」というご意見があれば、お声がけください。

 

 

2話「改札にひっかかる」描写の出所

2話では、屋上で部長と牧が「春田のいいところ、だめなところ」を10個言うというバトルをはじめます。

そこで牧が、春田のだめなところとして挙げる「改札に引っかかる!」。本編ではこんなシーン出てこないのですが、どこで出てくるかと言えばスキマスイッチ「飲みに来ないか」のMVです。

実は飲みにこないかのMVは田中圭が出演していて、そこで「改札に引っかかる」というシーンがあるんです。

言うまでもなく、おっさんずラブの主題歌はスキマスイッチ。4話では、サンドイッチマンをしている春田&牧のもとへ通りがかるバーのマスターとして、友情出演も果たしています。

このときのスキマスイッチのセリフが「飲みに来ないか?」。自らの曲さえフラグにしてしまうとは……そしてそこまでしっかりチェックしている牧……。

 

牧の服装法則

牧の服装について「幸せなときは赤い服を着ている」という法則があります。例えば春田と買い物に行くとき、最終回の告白されるときなど。

それに対し、幸せなとき以外はボーダーの服を着ていることが少なくありません。もしかしたら何の意味もないのかもしれませんが、LGBTとボーダーの関連を思わずにはいられません。

 

3話「君の名は」に潜む瀧くん

3話のサブタイトルは「君の名は」。蝶子さんが、夫の不倫相手が「はるか」ではなく「はるた」であることに気づき、これまで協力役を頼んでいた春田に「君の名は……!?」と尋ねる神回です。

この回で、蝶子さんと春田が「はるか」の姿を探しに行くレストランが、「ラ・ボエム」ではないかという意見を見かけました。

「ラ・ボエム」と言えばそう、新海監督の映画『君の名は。』で、主人公の瀧くんがアルバイトしているお店なのです。芸が細かい!!

 

4話の牧と武川さん

衝撃の4話では、牧と武川さんが元カップルであるということが明らかになりました。居酒屋で飲みの最中、テーブルの下で手をつなぐという見せつけたくて仕方ない大学生カップルかよみたいな挙動に出ている二人。自分の気持ちに無自覚な春田にも衝撃が走ります。

武川さんに手を握られている最中、牧は口元に手を当てています。口元に手を当てるという行為は、行動心理学的には「隠したいことの表れ」。春田に対する申し訳なさもあったのでしょうか。

ちなみにこのとき、牧は畳に手のひらをぴったりつけて、武川さんがその上から手の甲を握りこんでいます。きっと牧がもう少し手のひらを浮かせれば、恋人つなぎもできたはず。そうしなかったのは、せめてもの操を立てる決意だったのでしょうか。

 

荒井ちずはアライ的存在

春田の幼馴染であるちずは、普通のドラマならヒロインになるであろう立ち位置。しかし、最後まで春田の目はちずに向けられることがなく、7話では春田への思いを叫び、最後の最後で1話から理想として語っていたキャラクター通りの彼氏を見事GETします。

そんなちずちゃんの苗字は「荒井」。よくある苗字ではありますが、LGBT界隈では当事者ではないもののLGBTに理解があり、支援してくれる人について「同盟」の意味を持つallyから、アライと呼ばれています。

ちずちゃんは、春田への思いを抱えながらも、春田が部長から告白されたと聞いて笑うこともばかにすることもなく「やったじゃん!」と言ったり「結婚式ではどっちがタキシードなんだ?」というデリカシーのない質問に対して、当たり前のように「どっちもタキシードでしょ!」と答えたりします。荒井ちずは間違いなく、アライな人なのです。

 

春田の父親の存在

なかなかアッパーキャラな春田母に比べ、春田の父は最後まで登場しません。さらに、自宅内には家族写真の一枚もなく、仏壇などもない。つまり、どこにも父の存在感がない家庭です。

春田はもしかしたら、無意識に父性を求めていたのかもしれません。自宅にやってきて世話を焼いてくれる部長は、春田にとって求めていたものを与えてくれる存在とも言えるでしょう。

しかし部長が春田に求めるのは、あくまで恋人の姿。それがすれ違いの原因になったのでは、と思うと切ない……。

 

最後まで「部長」と呼ぶ春田

部長と春田の関係も、絶対的な信頼感に基づいたものではあったのですが、部長もうすうす感づいていたとおり、春田の気持ちは恋愛としてのものではありませんでした。

それが伝わってくるのが、春田の呼び方。春田は最後まで「黒澤さん」とか「武蔵」と呼ぶことはありません。自宅でまったりプライベートモードのときでさえ「部長」です。

春田に振られたとき「きこえないきこえないきこえな~い!!!……聞こえちゃったあ……」というヒロインモードからビジネスモードに切り替えて自我を保っていた部長を思うと、春田との感覚の違いがそうとう大きかったことが分かります。

 

7話、春田の「ちょっと待ってて~!」のシーン

最終話である7話。春田が結婚式場を飛び出し、スーツケースを転がしている牧を見つけたあの場所について、とある噂を見かけました。

なんでも、「ちょっと待ってて~!」と叫んでいた場所を実際に走ってみると20分くらいかかるのだとか。全然「ちょっと」じゃねえ。

しかし、今その場所には信号は新設されている途中なのだとか。2018年6月現在、まだ工事中の信号がきちんと通れば、2分で反対側まで行けるようになるそうです。

ちなみに、6話から「一年後」として描かれる7話の内容は、2019年の様子です。2019年には現在工事中の信号が完成し、本当に「ちょっと」で牧のところまで行けるようになるのかもしれません。

 

春田が超えていくボーダー

同じく春田が、道路を挟んだ向こう側、牧のいるところまで走っていくシーン。

このとき、春田の前の道路はよく見るストレートのもの。それに対し、牧側の道路はボーダーです。またもや登場した牧とボーダーの関係。そんなボーダーも軽々と飛び越え、牧のところまでやってきてしまうのが春田の強さなのですね。


 

ということで、おっさんずラブロスに震えながら1話から7話まで繰り返し見直しています。また何か気づいたら追記していきます!

 

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