つづ井さん出演ラジオ、ライムスター宇多丸のカルチャープログラム「アフター6ジャンクション」のレポート&感想

毎日がハピネスエブリディなコミックエッセイ「腐女子のつづ井さん」および「裸一貫!つづ井さん」をご存知ですか。知らない方はぜひCREA公式で読んでください。私もどうしようもなく疲れたときに電子でも本でもさっと読み、心を切り替えさせてもらっています。そんな心のよりどころエッセイの著者・つづ井さんがこのたびラジオに出演されたということで、さっそく聞いてみました。

つづ井さんって実在するのか問題

Twitterでエッセイ漫画を公開したことにより、バズに次ぐバズを経験、書籍化、LINEスタンプ発売などさまざまな活躍をされている漫画家でありイラストレーターでありクリエイターでありラッパーであり、総じてアーティストであるつづ井さん。

つづ井さんが登場したのは、ライムスター宇多丸さんの「アフター6ジャンクション」。フリーアナウンサーの宇垣美里さんがアシスタントを務める、火曜日のカルチャーコーナーです。

 

まず前提として、つづ井さんは職場などに「自分がつづ井さんとしてエッセイを出版していること」を公表しておらず、これまでに顔を出したり公の場に現れたりしたことはありません。そのため我々ファンにとっても、実在するのかどうかさえ分からない存在。もしかしてつづ井さんは実在しないのでは?AIなのでは?たくさんのオタクたちの記憶がビッグデータ上に集められ形成されたのでは?など、憶測が憶測を呼びさまざまな仮説が立てられていました(己調べ)。

 

つづ井さんがラジオに登場したぞ!

そんなつづ井さんがなんとラジオに登場。ジングルあけ、どんな声なんだろう、どんな人なんだろう……とわくわくしていると、挨拶したつづ井さんは謎のペケペケ声。なんでも、身バレ防止のためにヘリウムガスによって声色を変えていたそうです。

宇多丸さんと宇垣アナは、つづ井さんに質問を投げかけつつヘリウムガスを吸うための時間を稼ぐという絶妙なラグが発生しています。そんなことある?生放送のラジオというシーンで、演者のヘリウム待ちっていう時間発生することある?そのあいだ、宇多丸さんが時間を稼いで稼いで稼いで、しぼりだされた挨拶がこちら。

つづ井「『裸一貫!つづ井さん』について話しにきました~!」
宇多丸さん「ありがとうございます!!」

 

わ~い!!黎明期のニコニコ動画なら「キター!」コメントがあふれるやつだ~!!弾幕案件だ~!!出だしから「挨拶してくれてありがとう!!」という、万物に感謝する姿勢を大切にしたハピネス空間が広がっていました。

 

まさにつづ井さんのエッセイに登場するエピソード「大人はもっとなんでもないことで褒められるべき」という哲学に則っています。えらい!あいさつできてえらいっ!

 

宇多丸さんと宇垣アナはどう読んだのか

とはいえヘリウムガスは身体に害が大きすぎるということで、CM明けはマイクのエフェクトによって声を変えながらトークに。つづ井さん、そして担当編集である文藝春秋のシラカワケイゴさん(漢字が不明なのでカタカナ表記で失礼)が、MCの二人と作品について話していきます。

宇垣アナは、もともとつづ井さんの大ファンであるらしく各所に共感したこと、内容だけでなくつづ井さんの文章も大好きであるということ、ワードがしっくりくることなどを熱烈に挙げていました。ちなみにしっくりワードとして例として挙げられていたのが「ドチャクソ」だったのでさすが宇垣マイメロ先生……わたしはマイメロだからわかんな~いぴるぴるぴる~♪な宇垣アナ……すっきゃで……と思ってしまった。

 

そして宇多丸さんは、つづ井さんの友人であるMちゃんやオカザキさんなどの個性豊かなメンバーについて「クリエイティブでいい」と繰り返していました。

 

こちら、私的に一番ぐっときたシーン。

宇多丸さん「いや、みんな頭いいなと思って!」
宇垣アナ「いいのか悪いのか分からないけど……」

 

ちなみに宇多丸さんはゾフ田さん推しだそうです。Zoffのメガネを着用しているというこの上なく端的な理由によってゾフ田と呼ばれるゾフ田さん。

いやまじでめちゃくちゃ分かる。他の友人たちと違ってわりかしゴーイングマイウェイなゾフ田さん、ときに辛らつに、おおむね無表情でつづ井さんと前世メンツのやりとりを眺めているのですが、そのクールなたたずまいがとても魅力的です。そんなゾフ田さんに対する宇多丸さんの「みんなが同じ方向を向いて同じ熱量じゃなくても仲がいいというのがすごくいい」というコメント、まさにその通りだな~!!と赤べこくらい頷きました。

 

つづ井さんのnoteの話

作品について語る上で、以前つづ井さんが執筆したnoteの記事「ちょっと真面目に話させてくんちぇ~」についても触れられていました。noteを読んだ方は分かると思うのですが「裸一貫!つづ井さん」の中には自虐がありません。そこに行き着いた理由などを改めて話すとともに「担当さんにとても助けられた」というお話をされていました。

編集のシラカワさんはとても穏やかな話し方の男性。書かれている内容がつづ井さんの真意かどうかをソフトタッチで厳しく追求されているそうで、そのチェックが爽やかな読後感につながっているようです。

ちなみに宇多丸さんから「シラカワさんがつづ井さんを見つけたきっかけは?」と聞かれたシラカワさんは、以前つづ井さんが投稿していた「電車の中でBLを読んでいる人の日記」についてお話されていました。「こんなに面白いものは見たことがない!」と思って、出版の声をかけたそうです。この一言から、シラカワさんもめちゃくちゃヤバい方(褒め言葉)なのだな……と伝わってきました。

(追記:2020年6月に発売された「裸一貫!つづ井さん2巻」では、巻末に担当さんとのやりとりが書き下ろされています。このお話にでてくる方、明記されていませんがひょっとしてシラカワさんなのかな…?ちなみに、ゾフ田さん橘さんMちゃんオカザキさんという個性つよつよメンツに負けず劣らずはちゃめちゃに最高で天才な担当さんです。詳細は2巻を読むべし)

 

つづ井さんの過去と未来~fuutia~について

さらに作成秘話的なお話も。つづ井さんは、もともと小学生の頃から日常的に日記を書いていたそうです。分かりやすい日記にするため図解や絵を沿えていく中で絵日記として確立し、自分で読み返してフフッとなっていたところから、SNSに投稿するようになったのだとか。

「今後も絵日記を続けていく?」と聞かれたつづ井さんは「続けたい……!(けど出版サイドの方の都合もあるだろうから私の一存で断言できない、というニュアンス)」と返し、すかさずシラカワさんが「ぜひ!!!!!」と強火に食いつくシーンもありました。

こうした会話のあいまに何度も「本当にクリエイティブですごい」と繰り返す宇多丸さん。つづ井さんのエッセイを読むと「友達に会いたくなる」と言った直後に「いや、でも俺の周りの人間はこんなにクリエイティブじゃないな……」と悔しそうにおっしゃっていました。めっちゃわかります。

あっという間に30分が経過し、もっと色んな話を聞きたかった~!と思ってしまったので、二回目の登場&他のラジオへの登場も期待したいです。

 

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