谷山浩子さんの『悪魔の絵本の歌』『Rolling Down』という2曲をご存知ですか。インターネット上では「怖い曲」「恐怖の音楽」と呼ばれ、歌詞の解釈や考察を探す人がいれば、思いつかなかったような読み解き方をする人も、歌詞以上の意味はないと語る人もいます。もちろん、そのどちらも嘘ではないと思うからこそ、私なりに感じたことも書き留めておきたいと思います。
谷山浩子とは
谷山 浩子(たにやま ひろこ、1956年8月29日[1] – )は、日本の歌手、シンガーソングライター。
独特の幻想的作風を特徴としており、現実離れした内容の歌詞が多い。また、楽曲制作だけに留まらず幻想的小説も多数執筆、並行して小説と内容がリンクした同名の歌を制作するなど、個人で今で言うメディアミックス作品も制作しており、統一された世界観に裏打ちされた作品が特徴である。
作家としてはファンタジー作品を発表し続けており、ジュブナイル的な作品が多い。メルヘン的な文体で甘やかな印象があるが、文芸評論家の石堂藍は「作品の内実を窺うと、心理学的象徴や夢への傾倒が強く見られる」と述べ、谷山が付けている夢日記の影響を指摘している。アマチュアに徹することで、余分なものを豊かに持つ谷山ならではの世界を描いている。
『悪魔の絵本の歌』
まず有名なのが、タイトルから吸引力がすさまじい『悪魔の絵本の歌』。
「絵本」という、ポップ&キャッチーの代名詞のようなモチーフを使いながら、考察解釈さまざま溢れる薄気味悪い雰囲気を演出した神がかり的な一曲。ニコニコ動画に挙がっている楽曲は、最後に「鳥ページ」というコメントで溢れ、これもまた気持ち悪さを助長させます。谷山浩子さんの40周年アニバーサリーサイトによれば、「悪魔の絵本」とは夢の中に実際に出てきたものだそう。
『Rolling Down』
タイトルの通り、ひたすら転がり落ちていくストーリー、そして転がり落ちた先には母が待っているという曲。しかし落ちて落ちて落ちて、その先にあるものの本当の姿見えた瞬間の、衝撃的な音使いがすまさじい。元号泣の怖い話伝道師・島田秀平さんが語っていた怖い話「ゆかりちゃん」を思い出しました。
ゆかりちゃんは、優しい母が死ぬ間際に「どうしてもつらいときにこれを見てね」とお守りを渡され、あるときそのお守りの袋を開けて中を見たら「ゆかりシネ」と書かれていたという話。
「Amazonで変なもの売ってる」表紙これ ヽ( ´▽`)丿 pic.twitter.com/oVMhlHhJdV
— 谷山浩子 (@taniyama_) July 15, 2014
『Rolling Down』もはじめは楽しく聴いていたのですが、あの衝撃のラストのおかげでかつて子供によって奈落の底に落とされた母がその怨念を子どもに授けている……という楽曲のように思えました。ともすると、子どもがひたすら転がり落ちていくさまは母が望んでいた姿であり、母が見えないところで手引きをしていたから子どもが「転がり落ちるしかなかった」のかもしれない。もしかしたらイントロから、子どもの不幸ははじまっていたのかもしれない。
もちろん、考察や解釈は一つではないし、そのどれもが谷山さんからしたら「違う!」というものだと思います。だからこそ、色んな人の解釈が聞きたいし、色んな見方を踏まえて聴き直して、ぞわぞわしたい……!
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