堂々完結したアカギを阿佐田哲也先生作品と併読したら臨場感がえげつなかった

2018年2月1日(木)、それは雪の降る、いつになく神秘的な朝であった……。アカギ最終回が掲載されている竹書房『近代麻雀』の発売日。1992年4月より連載スタートした、『アカギ ~闇に降り立った天才~』が2018年2月に、堂々完結。

冷静に考えて、92年から18年までひたすら麻雀を打ち続ける漫画を描き続けた福本先生、本当にすごすぎます。お疲れ様でした。

『アカギ』とは

今更説明不要では?という気もしますが、改めて紹介すると『アカギ』は福本伸行先生による麻雀マンガ。同先生の『天 天和通りの快男児』という神作品に登場し、主人公である天以上の存在感を博し事実上作品をのっとる形で驚きのラストを迎えることになった発端の人物、赤木しげるのスピンオフ作品。そう、実はアカギってスピンオフなんです。とはいえこっちが売れすぎたため、スピンオフであることを知らずに読み始めた読者も少なくないでしょう。

作中のメインイベントである、負けたら血液を抜くというギリギリ違法な特殊ルールの麻雀『鷲巣麻雀』ではリアルで打ったら30分、遅くてもだいたい1時間くらいで終わる半荘×6回の勝負に、20年を費やし、麻雀漫画でありながら読者から「いつまで麻雀やってんだよ」と言われた異端の作品でもあります。

※画像はイメージです。(image is image.)

かと思えば鷲巣麻雀というゲキアツイベントの主催者である鷲巣巌様が、突然地獄に落ち、鬼と戦いはじめるというルートに突入したため読者が「早く麻雀やれよ」と困惑する展開に。とにもかくにも多方面で話題になったマンガなのです。

余談ですが、私も友人たちをかき集めて超自由な特殊麻雀大会を開催した経験があるのでよかったらそちらもどうぞ↓

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歴史に名を残す麻雀作品が完結したとき、我々がすべきこととは……

さてさてそんなアカギが完結して、この気持ち……っどうしたらいいっ……ぐっ……ぐっ……とアカギロスに陥っている我々が何をすればいいかと言えば『麻雀放浪記』でおなじみの阿佐田哲也先生作品を読むということ。コミカライズ作品も多く、井上孝重先生、原恵一郎先生などが手がけ、最近では嶺岸信明先生も連載中。

『麻雀放浪記』に出てくる、ブー大九郎というキャラクターについて、阿佐田哲也先生は随筆『雀鬼五十番勝負』内で、あのキャラクターめっちゃ人気でモデルになった人物を探そうとしている人もいるらしいんだけどまんまモデルの人はいないから見つからないと思うよ~確かにある人の影響でできたキャラクターではあるんだけどね~という旨のことを書いていらした。なんという匂わせ。

で、このブー大九郎というキャラクターは、早上がりが得意な盲目の雀士。『雀鬼五十番勝負』内では、そのモデルになった人物との対局の流れが細かく記されています。

 

アカギと麻雀放浪記の反復横跳びを楽しもう

何が言いたいかと言うと、これを踏まえた上でまたアカギを読み返すと臨場感がすさまじい。特に市川戦。なぜ市川が的確で外れのない打ち方を選ぶのか、分かるような気がする。

福本先生がここから影響を受けているだろうとか、このエピソードを参考にしているだろうとか言うつもりはまったくなく、ただ麻雀を扱った二つの歴史的名作を行き来すれば、よりアツい追体験ができる、それってめちゃくちゃすごいことじゃないか、ということです。連載終了してなお楽しませてくれるアカギ、やはり只者でないっ……!

 

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