前に、SFCの名作「ドラッケン」の記事を書きましたが、最近ではゲームボーイアドバンスの隠れた名作「マジカルバケーション」のことを、よく思い出します。まじでめちゃくちゃ面白くてドハマりしたゲーム。今はWiiUのVCでプレイできるみたいです。ということで、キャラクター、ストーリー、システム等王道RPGでありながら、プレイヤーを惹きつけたマジバケの魅力についてあらためて考えてみます。
グラフィックが美しい
子どもの頃の私が「このゲーム欲しい!」と強く惹かれたきっかけが、15秒のテレビCMでした。バトルシーンやフィールドの映像の中にあった、夕暮れとも朝焼けともつかない景色の中をバスが進んでいく光景が忘れられなかったんです。ドット絵特有のレトロ感と、澄んだ空気を感じさせるフィールドグラフィックの魅力は、新しいゲームがさまざま発表されている今でも特別です。
キャラクターがかわいい
マジバケの世界では、猫だったり犬だったりロボットだったり、いわゆる人外的な多様な種族が登場します。これがとってもかわいい。一人ひとり性格も立ち回りも違いますが、全員ピュアッピュアで、年齢を重ねてからやり直すと眩しすぎるレベルです。そしてキャラクターの名前も「キルシュ」とか「キャンディ」とか「ピスタチオ」とか「カシス」とか「レモン」とか、軒並みかわいい、美味しそう。マカロンかよっていう。さらに街や地名も「コヴォマカ国」とか「キードモンガ」とか「クムヤムト砂漠」とか「モイロロト村」とか、やっぱり美味しそう。
『キスニカ鉱山』
— マジカルバケーション元ネタbot (@mv_originword) July 4, 2020
【シリーズ】初代マジバケ/地名
【正式名】カニすき
【意味】鍋料理の一つ。昆布だしに醤油やみりんで味付けしたスープに、カニと具材を入れて煮込む。一方、カニちりは昆布だしだけで煮る水炊き鍋。ポン酢醤油などをつけて食べる。
こちらの元ネタbotさん、めちゃくちゃ丁寧で好き……。
さてそれから、キャラクターは「火」「風」「毒」「美」「刃」「音」「石」「虫」「木」「獣」「水」「雷」「古」「闇」「光」「愛」のうちのどれかひとつの属性を持っています。「火」「水」「雷」あたりの定番属性だけでなくめずらしい属性もありそ、れぞれに相性があるほか「1体にだけ大ダメージを与える」「攻撃範囲が広い」など特長が違うので、これを考慮しながらパーティを組むのがまた面白いのです。
ストーリーが割と重い
そんなキャピキャピかわいい要素のかたまりのようなマジバケですが、内容はわりかし重いです。大筋としては臨海学校へ出発した生徒たちが思わぬ事件に巻きこまれるところからはじまる話なのですが、どんどんいわゆる鬱展開になっていきます。
ネタバレになってしまうのだけども、仲間キャラクターがある理由でパーティーから離脱してしまったり、自分の身を切り売りして誰かを生き返らせようとするキャラクターがいたり、人ならざるキャラクターが登場するからこそ人間的な感覚では「分からない」「どうしてその道を選んだのか」と考えてしまうシーンもたくさんあります。一見かわいい・きれいな作品としてコーティングされた内側にあるコントラストが、ゲームをますます面白くしているように感じます。
ストーリーの中でも外でも「友達」が必要
マジバケでは、ニューゲームごとに主人公の属性をひとつだけ選ぶことができます。さらに他のプレイヤーとの通信によって、主人公が他プレイヤーの属性を身につけられるようになるシステムもあり。例えば、水属性でスタートした主人公も、雷属性プレイヤーと通信することで水・雷ふたつの属性を自由に使えるキャラクターになるということ。
「アミーゴ」と呼ばれるこの機能によって、まさにリアル「仲間」の存在がゲームの未来を変えてしまうマジバケ。さすが、公式のジャンル表記が「コミュニケーションRPG」とされているだけあります。正直、周りにゲーム友達が少なく、その中にマジバケをプレイしている人がいなかった私にとっては、ゲームの世界でもリアルの世界でも「仲間」の喜びを実感できず地獄のような思いをしたのですが、それすらもいい思い出です。
やり込み要素がかなりある
さらに一度クリアした後、ある条件を満たすと「ガラムマサラ」という隠しダンジョンが解放されます。しかも難易度高め。後半にいけばいくほど「これ無理やろ!」というレベルになっていくので、本編をサクサククリアできた人、物足りなさを感じた人も楽しめるでしょう。
さらに「これ難しすぎるわ!」という状態に陥ってしまった人も、攻略が楽になる裏技があります。それが「アミーゴ機能」。そう、ここでも、仲間の存在が重要なのです。最悪、GBA二台持ちで友達なんて100人も1000人も作れるので、あらゆる手を尽くしてぜひマジバケを楽しんでください。
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